今更抄

「今更でしょ」な話を今更

好きなものと感想と

 もしかしたら繰り言になっているかもしれないが、私はこれまで、特に小学生の後半くらいから、可能な限り自分の好き嫌いや行動についてなど、言葉や記録を残さないように努めてきた。何故と言われると、自分個人の問題意識というか疑問というかそんなものがあったのである。現に私のSNSアカウントを見てくれれば分かるだろうが、自分の画像が基本的にはなく、主にいつでもどこでも誰でも考えられるものを投稿しており、現在性や場所性のある投稿は基本的にしていない。私と写真を撮ったことがある人も、その回数を考えてみると、現代の若者かと言われるほど少ないはずである。

 処世では、何をしたかや、何が好きか/何をヘイトしているか、何がしたいかが問われる世の中であり、それに上手く答えてなぁなぁにやっていくことが望ましい。また、そんなものを商品として並べておくのがSNS時代であるし、少なくともそれが当代のコミュニケーションの一部である。そんなことを空気から分かっていたが、結果としてしなかった。先の疑問の方が勝っていたのである。そんなわけで今いるところに流れついている。

 大体それにカタが付いたというか、どうでもよくなったというか、体力的にそんなことに気を張ることが出来なくなったというか、どれかは御想像にお任せするとして、兎に角それが終わったのである。

 

 この段階になると、好きなものの範囲を広げてみたり、色々と好きなものを話してみてもいいのだなと思いはじめている。やり残したことである。そして、一体何を好いているのかとか、何を読んでどう感じているのか、的な話をしてもいいんじゃないかなとも。それらも、会話においては処世的な方向のネタとしての域で使用されて終わるのが屡々だが、折角のブログなので、今更だけれどこれらについて書くのもアリかもと考えている。残念ながら色々なことについての言葉を十分に読み聞き、また書き語り慣れていないため、不十分な表現・感想になるが、自分は批評家ではないので、よく考えればそのレベルは求められない。「いいよね」くらいしか言えないけれど、共感的なものを書くことがあるかもしれない。

 飯を食わせても大体なんでもパクパク口に運んでいるし、大抵の世の娯楽には近づかないようにしているし、何かをしても楽しんでいるのかいないのかも分からない、まぁ取り付く島もない人間に見えたかもしれないが、そんな時に少しずつでも体に蓄えてきた繊維で小さな布を折るのもいいだろう。

 勿論、ヘイトに依拠したものを書いてもよいのだが、そんなものを書いても自分の幸福を助長する結果にはならない(なったとしてもそれは悪しき形でだろう)し、もっと自分の価値観をブラッシュアップする方が、そしてそれを試す方がよっぽど健康的である。そして、何よりヘイトを軸にしたものよりも、そっちの方が読むほうも楽しいだろうと私は感じている。ヘイトや何かの欠点を剔出することによって自らの優位性を保とうとするのは、しばしばしてしまいがちだが、最近は自己を暴力的に扱うことに等しいと思っている。

 

 そんなことも相まって、今まで棚上げしていた処世の方に生き方を振ることになるだろうなと思うが、ここにきているような友人・知人やまた流れ着いたひとには、今まで通りの話を今まで通りするだろうから、残念がるか安心するかしていただければ幸いである。

 要するに、これからは自分の価値的なものをより明示的に書くものがあるかもしれないということと、多少は読む人のことも考えますということ、そしてこれからもよろしくということを言いたかったのである。端的にそれを言うならTwitterでも足りるじゃないかと思うだろうが、生来の捻くれ者であり、ニュアンスを伝えたいんだという言い訳から、山鳥の尾よりも長々と書いているので、御愛嬌とでも思ってほしい。

 そんなわけでこれからもご愛顧いただければ、心の底から嬉しい。