今更抄

「今更でしょ」な話を今更

素直さ

 友人の旅行、というかアニメの聖地巡礼について行った。言い出しっぺは私だし、焚き付けたのも私だが、行くと宣言して私をカンパニーにすると言ったのはあっちだった気がするので「喜んでついて行った」ということにさせてもらいたい。

 ちなみに当該アニメを薦めた、いや半ば無理やりに見せてプレゼンして沼らせたのも私なので、諸悪の根源は私なのである。正直、私もここまであっちがハマるとは持ってなかった。

 友人氏を見ていると「おうおう、楽しそうだな」という感じだったが、そう言っている私が楽しくなかったのかと言われると、そんなこともない。むしろ、ここしばらくでは屈指の楽しさであった。多分1人では聖地巡礼に足を運ぶことはなかっただろうことも含め、同伴にご指名いただき有難い限りである。

 いつものことながら「お前、楽しんでいるのか」と的なことを聞かれたが、いまいち顔や行動に出ないタチなのか、出していないタチなので許してほしい。

 

 大学生の時代に友人らの家に行ったときのことを思い返すと、一人暮らしだったこともあり、大体みんな自分の好きなものを大々的に置いていたように思う。お酒が好きな人はたくさんのお酒を置いていたし、推してるアイドルの大きなポスターを張っている人もいれば、プラモデルを飾る人、楽器を飾っていた。好きなものを押し出している部屋や友人のそんな姿勢はなんだかんだ好きなので、ライフステージが変化するとしてもそのままでいてほしいな、なんて思っている。

 翻って私の部屋を見ると、小さい頃から好きだった特撮関連のものや小学校から好きだったゲーム、中学から偶にパチ組していたプラモ、高校あたりでハマったアニメや映画類やジグソーパズル、そんなものを置いたり制作していないなと思う。部屋を見るとプラモが一体が置いてあったり、キャラクターのブロマイドが百均の写真立に入れられていたりしているし、ないわけじゃない。しかし、友人たちにあるような「これを見ろ!」って感じや、「これが好きなんよね」って感じが自分ながらどうにも感じられない。最推しというわけではないが(そもそも「推し」という感覚が分かってないけど)もっとどうにかならんのかなぁと今更ながら考えている。

 

 別の友人から勧められた『冴えない彼女の育てかた』のアニメ1期を流していたが、先を知らないものの、どうにも恵以外のヒロインがあんな感じになっている要因の一つが、作中で本人たちに語らせているように「素直」になれていないことであるのは間違いがないなと思った。まぁ、創作世界においてそうなのであるから、況や現実世界をや。

 好きなものは衒いなく好きと言おうや。好きに貴賤も上下もないのだし。ないのであって欲しいし。